* 1/12自作可動素体 原型製作日誌 (2012/3月〜12月) *





■ WR-7 (幼女体型・ロボットタイプ/2012年末に原型完成)
■ WR-13(少女体型・ロボットタイプ/2013年春に製作開始)



■ 開発中の1/12 自作素体につきまして


イベント等でご質問をいただく機会が多くなってきましたので
開発中の素体についてあらかじめ何点か告知させて頂きます

・mms互換素体ではありません
武装神姫(当社mms用キットも含む)のパーツ類は装着できません

・1/12サイズのお洋服は共用できます

mms 3rd スモール用のお洋服がちょうど良いサイズです
(mmsトール用、ピコニーモ用はやや大きめです)


・自家生産ガレージキットです

主に、今後の個人活動の基盤となるように
開発した経緯となりますので、
少量ずつですが長い期間、可能な範囲で再生産いたします


キット内容については、初心者の方でもキレイに楽しく完成できるように
組み立て手順やパーツ品質に最大限の配慮をします

※ 12月1日 原型が完成しました 予定より大幅に遅くなりまして申し訳ありません







< 開発日誌 >


12/20

基本工作が完了したあとも、まだやることがたくさんあったのでした


サーフェイサーをやや多めに吹き、こまかいペーパーヤスリで磨き上げます


作業中に大きい地震が来て、く式さんが仕上げ用の水入れに頭からつっこんだり…


可動用チューブを入れるスペースの加工中に


こまかいパーツをこわしたり…


社員一丸となり連日ひたすら磨きます


「ふりすく くえ」



すべてのパーツを磨き終えたころには、トレフェス数日前でした


レジンに置き換えたお試しサンプル品だけでも持っていこう、ということで
次は大急ぎで型作りのためのねんど埋めをします


両面にシリコーンを流し終えたのは、トレフェス前日夜となりました


型をひらいてレジンの流れるゲートを彫ったのは、トレフェス当日の早朝でした


そしてイベント当日の午前11時、ついに試作機が完成しました
いそいで宇都宮線に飛び乗り、午後1時30分にビッグサイト到着!
間に合って良かった…



イベント終了後、本生産にむけてシリコン型保温コーナーを新しく作り直しました

次は、本番用の型作りです




12/1

1/12 幼女タイプ可動素体 「WR-7」」 原型完成しました


パーツ表面を磨いてフィニッシュとなります


レジンムク製のため、見た目より重量があります






「おつかれさまでした!」




11/27

最後の工程、ボディ前後分割&股関節を設置します


今回は形状優先タイプのため、上下半身の分割はありません
可動タイプボディをオプションパーツとして今後開発予定です


脚部懸架アームは破損の場合を考慮し、
引き抜き交換式にしました


いろいろな構造を検討しましたが、シンプルな構造に落ち着きました
胴体、もも内部に、グリップ用のPVCチューブが組み込まれます


もも前後面は、指で挟み圧をかけながら瞬間接着剤をパーツ合わせ目へ流し込み、接着します
もし懸架アームが破損しましたら、「アーム+もも上部」のユニットごと交換して下さい
(アフターサポートパーツとして別売します)




11/25

「AKガーデン 3」に出展スペースを確保してありましたので、
制作途中の原型を展示することとしました


股関節は未製作のため、細アルミ線にて暫定的に胴-脚部を接続しました


会場での展示の様子です


お気に入りアンティーク小物やミニチュアをまわりに配置しました


うさうさちびっこチームも出場

秋葉原ブログ様 AK-GARDEN【3】レポート (弊社ブース写真有り)




11/20

ボディ試作品をチェックしていただいた際、1/12靴職人様から
「足が大きすぎてこれまでの靴が履けない」とご指摘があったので、
足首をひとまわり小さく新造しました


実際の人体の比率よりやや小さめの足首ですが、
少々ディフォルメすることで馴染むようにしてみました




11/13

完成まであと一息です

安産祈願のおまもりを頂いてきました

造形が完了していた手首パーツに、関節を埋め込みます

グー、パー、にぎり手の3種×左右の計6個が、基本パッケージに入ります

その他の表情の手首は、今後オプションパーツとして開発販売予定です


手首の関節はパチンとはめこむ方式としました






10/28

ある程度作業が進みましたので、
8月〜10月までの関節加工の過程をまとめてみました
記事内 上から順に時系列となります




<構想・設計>





素材(レジン、塩ビゴム)の強度や肉厚を考えながら、
各パーツの構造や形状を書き出してみます


<素材準備>


プラ版を張り合わせたものをレジンで複製し、いろいろな厚みのレジン板を用意します


レジン板から、関節に使用する円盤パーツを各サイズ切り出します


実際のパーツ用、アソビ確保用、治具用など一種につき複数が必要になりました


手作りのばらつきを回避するため、レジン複製したコピーを実際の作業に使用します



<分割開始>



今回、関節の軸方向と直交する向きで各パーツをモナカ割りとしました


凹側 パーツの接着強度を増すために段差をつけます


離型剤を塗り、スカルピー原型からとったシリコン型にもどし、レジンを流します
離型剤には、通常のプラモデル用サフを使用します
プライマーの入っていないサフがレジンに食いつかないことを逆手にとります
複雑な形状のところには、予防的にハンドクリーム(油)を 薄く塗っておきます



削除した部分にレジンが充填され、凸側が成形されます
パーツの境界が分かりやすいように、レジンにはマジックインキで色をつけておきます


分割面のサフと油をクリーニングして、モナカ割り 一回目成功!



<位置固定>


関節位置と角度を左右対称にするため、原型製作時の関節位置同士を貫通し、金属線で接続します


関節位置はいずれ置き換え工程でけずられてしまうので、何カ所か予備接続もしておきます


<一軸関節 円盤設置>


原型製作時の関節位置をガイドに、片側ずつ円盤に置き換えていきます


パーツずれ防止のための真鍮線(暫定)


(本番+アソビ厚み)÷2 の厚みの治具円盤を挟み、片側の円盤をプラリペアで固定します


すねも同様に、アソビ円盤を挟んで外側の円盤を接着


主要部位の外側円盤を接着しました


おひらき状態です


<軸回転関節の成形>


水平方向に動く関節を、太ももと上腕に作ります


前後パーツをしっかり固定し、リューターを旋盤かわりに使用し正円を出します


水平関節 棒側をシリコン型に設置し、凹側をレジン成形


受け側もモナカになるので、半分削除します


受け側・凸半分を成形


4色になりました


<ひざの接続>


主要なパーツが揃ってきたので、一軸関節の挟まれる部位を成形します


出来上がったパーツに本番用円盤を挟み、シリコン型にもどし、
ポリパテでスキマを埋めます


もも と すね が、原型と同じ位置と角度で接続されました


でも、ちょっと失敗


あわてない あわてない


位置をずらさないように注意しながら角度を微調整


OK!



もも内部に回転軸用の塩ビチューブが見えます


<ひじの接続>



上腕の素材・円盤のついた前腕をシリコン型にもどしながら、不要部分を削除


ポリパテで成形します


パーツが非常に小さいので、原型の強度と精度を出す為に板パーツの挟み込み工法です


仮組み


曲げテスト


伸ばしテスト


余分をカット


ひじOK!
一軸関節には、挟まれる部位の中央部に塩ビチューブが埋め込まれ、ポリキャップ代わりになります


<肩関節の成形>



レジン板と金属線でこのようなパーツを作りました
今回は、左右同形のパーツも一応2コ作っています


腕部レジンパーツ一覧


仮組みOK!


手首パーツの軸受けにも、塩ビチューブを埋めました
極小のため加工がやや難しいですが、あったほうが良いと判断しました


可動をチェックし、外側の形状を整え、だいたいOKです!


<脚部 調整>


足部分の仕上げです


原型のボディラインを関節と調和させるために修正をします


予定より大幅な修正となりました


ダミーの足首を装着し、曲げ伸ばしして形状をチェックします


ひざもなるべく深く曲がる様にしました



<手足 仮組み>



胴体関節、股関節、手首関節など、まだまだ大きい加工が残っていますので
もうしばらく頑張ります





7月

試作品をWFにて展示




6/11

まだ手首です


一度、mmsと同サイズで指径太めで作ったのですが
ぷに手でなく単にでっかい手になってしまったので
サイズをひとまわり小さく再トライです


手首にはmmsと同じようにちょうつがい可動を組み込む予定ですが、
ここが一番小さい関節になるので、うまくいくのか心配です




6/7

制作途中の画像を上げてみましょう


アナログです

グレースカルピーをよくネリネリして、エナメル溶剤で少し溶かしながら盛りつけます
140度のオーブンで3分間(こがさないように)、何度も焼き固めながら進めます


おおまかな造形完了 ここから煮詰めます




6/4

1/12素体の製作進行ですが、雛形の形状出しがだいたい終わったところです


頭部やお洋服、自作外付けパーツ等を共有させるため、mms 3rd smallに近似で制作しています
(手足関節の位置、各パーツのだいたいの大きさ等)
ただし、全体にぷに寄りに完全新造していますので、既存の公式神姫パーツは共有不可となります

作業中のく式さんから採寸するようす

「少し太った?」


まだ手首はこんな感じ




4/1

1/12可動ボディの基礎造形を進めました




スタート7日目、胴体部形状はほぼOKです




3/22

材料が届きはじめました


今回の素体で関節の渋み(曲げ伸ばしの固さ案配)を安定させるために使用するのが
当社製神姫で首ボール受け部などで使用してきた「塩ビ(PVC)チューブ」です
これを一定の厚みでスライスしたリングを、ガンプラのポリキャップ代わりに使用します

テストのようす

ここに塩ビのリングを埋めこんであります


直径を合わせた棒を差し込んで廻すと、ちょうどいい渋みです

すり減らないので緩くならず、経年しても変質しづらい素材です
部位により軸直径の大小や形状に違いはありますが、基本はこの方式です

また、関節を大幅に省略したマネキン1/12ボディも検討中です
こちらはコストがかなり下がるので、お値段もお安くできると思います




3/20

レジンキャスト以外のゴム製品や金属棒などの試験材料をひととおり発注しました


1/12サイズにこだわりたい理由は、
武装神姫から貰ったいろんなものをこの先も生かしたいことはもちろん、
ドールハウス系ミニチュア文化との接点も模索したいというのもあります




3/18

自作可動素体の設計に着手しました

構造等、 ノートに書き出しています

「生っぽい」XZシリーズ/「メカっぽい」WRシリーズの
大きく2系統で進める予定です
素体開発にあたっての目標としまして、

・組み立てかんたん
・ 市販ジョイント等は使用しない
・市販可動フィギュア並の強度と関節渋みを持たせる
・もちろんボディ形状は当社らしく

といったところです

現在検討中のプランでできなくはないと思いますが、
レジン以外の多種素材部品のインサート成形などで、
通常のレジンキットより生産工程が増えると思われます

以上すべて計画段階ですので「土台無理な話だったよ…」となる可能性もあります
実現出来るなら、夏頃にWR最初期型をイベント&通販で販売したいと思います